2018.08.31
中小企業の経営課題に関するアンケート(東京商工会議所、2017年)によると、約75%の企業が「売上拡大に取り組むうえでの課題」に「人材の不足」を挙げ、
約60%の企業が「人員の過不足状況」について「不足している」と回答するなど、多くの中小企業が採用活動に疲弊し人材確保やその定着に苦労しています。
高齢化により労働人口が減少していることや求職者が労働環境に求める条件が高まっていることなどを背景に、近年採用現場は顕著な売り手市場となっています。
そんな中、弊社の顧問先であるお客様(製造業)から、「年々新卒採用が厳しくなっている・・・」とご相談がありました。
厚生労働省による「雇用均等基本調査(2016年度)」では男性の育児休業取得率が3.16%であるのに対し、日本生産性本部の調査(「2017年度新入社員 秋の意識調査」)では79.5%の男性が「子供が生まれたときには育児休暇を取得したい」と回答しています。
つまり、男性の「育児に参画したい」という意識が高まる一方で、「育児休業の取得率が低い」という現状にあるということです。
こういった若者の意識・思考や社会の変化を踏まえ、弊社担当者はお客様に「男性の育児休業の取得推進」を提案しました。
厚生労働省の両立支援等助成金(出生時両立支援コース)を活用して男性の育児休業取得を促進し、採用時に「男性育休の取得実績」を前面に押し出すことで、採用の大きなアピールポイントになると考えました。
男性の育児休業取得実績は新卒採用において大きなインパクトになり、同業他社が新卒採用に苦戦する中、3名の新卒社員を採用することができました。
また男性社員の育児休業取得を促進する過程において、従業員の業務フローを見直すことになり、これが会社全体の業務効率化へとつながりました。
さらに男性の育児休業取得実績ができたことで、「ワーク・ライフ・バランスの実現」を図ることができ、「男性の子育て参加に前向き」な会社という社内イメージが定着し、従業員の満足度向上にもつながりました。
また受給した助成金で導入を検討していた製品管理のクラウドシステムを導入することができ、これによりさらに製品製造の効率化を図ることができました。
※お客様情報を保護するため、一部情報を加工しています。