2018.07.11
来年10月1日より消費税10%の増税が開始されます。
ただし、一部の飲食料品や定期購読される新聞については、現行の8%のままの適用となります。
この制度を軽減税率制度といいます。
しかし、10%と8%の2つの税率が混在することとなり、軽減税率が適用される事業者にとっては大変です。
今回はこの軽減税率制度についてみてみましょう!
≪軽減税率の対象≫
軽減税率制度は①「飲食料品」と②「週2回以上発行される新聞」の品目の譲渡を対象として実施されます。
①「飲食料品」
飲食料品とは食品表示法に規定する食品です。
ただし、人の飲食用以外の用途で販売される飲食料品、外食、一定の要件を満たす一体資産、酒税法に規定する酒類等については軽減税率の対象となりません。
【人の飲食用以外の用途で販売される飲食料品】
食用品でも飲食用以外の用途に使用される物があります。例えば、「塩」です。
塩は飲食用と飲食用以外のものがあります。
飲食用以外の塩には、ソーダ灰(ソーダや洗剤の原料)など工業製品の原料を作る「工業用の塩」が該当します。
さて、この工業用の塩(軽減税率の対象外)を購入した顧客が、それを飲食用に供する目的で購入し、実際に飲食用に供した場合はどうなるでしょうか?
飲食用で購入するのであれば軽減税率の対象となるのでは?と思うかもしれませんが、実は軽減税率の対象となりません。
軽減税率が適用される取引か否かの判定は、取引を行う時点で行うこととなります。
販売後に顧客が飲食しようが、関係ないということです。
逆に飲食用の塩を、顧客が飲食以外の目的で購入、使用したとしても、当該取引は軽減税率の対象となります。
【外食】
飲食業等を営む者が飲食設備(飲食に用いられるテーブルや椅子等の設備)のある場所において、飲食料品を飲食させる役務の提供については軽減税率の対象となりません。
では「店内飲食」と「持ち帰り販売」を行っている飲食業についてはどう判断するのでしょうか?
「店内飲食」と「持ち帰り販売」のいずれも行っている飲食業において飲食料品を提供する場合についても、事業者が飲食料品の提供を行う時に判断することとなります。
例えば、注文等の時点で「店内飲食」か「持ち帰り」かを、顧客の意思確認を行うなどの方法により適用税率の判定を行うこととなります。
【一体資産】
一体資産とは、食品と食品以外のものがあらかじめ一の資産を形成、又は構成しているものをいいます。
おもちゃ付きのお菓子などがこれに該当するでしょう。
この一体資産が次の要件を満たすと、軽減税率の対象となります。
・税抜価格が1万円以下
・食品に係る部分の価格の占める割合が2/3以上
②「週2回以上発行される新聞」
軽減税率の対象となる「新聞」とは、一定の題号を用い、政治、経済、社会、文化等に関する一般社会的事実を掲載する週2回以上発行される新聞の定期購読契約に基づくものです。
駅やコンビニでの販売は、定期購読契約に基づかないため軽減税率の対象となりません。
では、定期購読している本はどうでしょうか?
そもそも新聞ではないので軽減税率の対象となりません。
新聞については飲食料品のようにあまり複雑ではなさそうですね。
一方、店内飲食と持ち帰りの両方を扱う飲食業者にとってはとても大変なこととなるでしょう。販売時に顧客がどちらを選択するかによって金額が異なるので注意しなければいけませんし、そのような複数税率に対応するレジの導入も必要となってきます。
必ず事前に対策・準備をしておきましょう!
さて、このレジを導入した場合には「軽減税率対象補助金」という補助金を受けられることがあります。
【軽減税率対策補助金とは】
消費税軽減税率制度の実施に伴い対応が必要となる中小企業・小規模事業者等に対して、複数税率対応レジの導入や、受発注システムの改修等に要する経費の一部を補助することにより、導入等の準備が円滑に進むよう支援する制度です。
レジの導入や改修、電子的な受発注システムの導入等をすることによって、国から補助金がもらえるというものです。
申請の期限もありますので、該当するのであれば忘れずに申請しましょう!
詳細HP(中小企業庁 軽減税率対策補助金事務局)