2018.08.17
みなさん、こんにちは。
前回は軽減税率制度の対象となる取引について、お話させていただきました。
概要的なことばかりで、あまりイメージできませんでしたよね。
そこで、今回はイメージしやすくするため、身近な個別取引の事例を集めてきました。
問題形式にしていますので、チャレンジしてみてください!
前回コラム:消費税の軽減税率
~目次~
・第1問 イケスの魚の販売は、軽減税率の対象?
・第2問 ペットフードの販売は、軽減税率の対象?
・第3問 果物の苗木の販売は、軽減税率の対象?
・第4問 お酒(アルコール分が一度以上)の販売は、軽減税率の対象?
・第5問 日本酒を製造するための米の販売は、軽減税率の対象?
・第6問 食品添加物の販売は、軽減税率の対象?
・第7問 ケーキに保冷剤を付けての販売は、軽減税率の対象?
・第8問 いちご狩りの入園料は、軽減税率の対象?
【第1問】
イケスの魚の販売は、軽減税率の対象?
解答
軽減税率の対象となる「食品」とは、飲食に供されるものをいいますので、食用の活魚は軽減税率の対象となります。
ただし、熱帯魚などの観賞用の魚は、軽減税率の対象とはなりません。
【第2問】
ペットフードの販売は、軽減税率の対象?
解答
軽減税率の対象となる食品は「人の飲食用」とされています。
ペットフードはペット用ですので軽減税率の対象となりません。
最近は人が食べられる「ヒューマングレード」というペットフードもあります。
しかし、これも人が食べるためのものではなく、ペットに与えるためのものですので、軽減税率の対象とはなりません。
【第3問】
果物の苗木の販売は、軽減税率の対象?
解答
苗木として販売される植物や種子は、栽培用としての販売であるため「食品」に該当せず、その販売は軽減税率の対象となりません。
ただし、種子であっても、おやつや製菓の材料用など、人の飲食用として販売されるかぼちゃの種などは「食品」に該当し、その販売は軽減税率の対象となります。
【第4問】
お酒(アルコール分が一度以上)の販売は、軽減税率の対象?
解答
酒税法に規定する酒類は軽減税率の適用対象である「食品」から除かれていますので、酒類の販売は軽減税率の対象となりません。
酒税法に規定する酒類とは、アルコール分一度以上の飲料などをいいます。
アルコール分が一度未満のノンアルコールビールや甘酒などの飲料については、軽減税率の対象となります。
【第5問】
日本酒を製造するための米の販売は、軽減税率の対象?
解答
日本酒を製造するための原材料の米は、「酒類」ではないので、「食品」から除かれず、その販売は軽減税率の対象となります。
【第6問】
食品添加物の販売は、軽減税率の対象?
解答
食品の製造・加工等の過程において添加される食品衛生法に規定する「添加物」は、「食品」に該当し、その販売は軽減税率の対象となります。
【第7問】
ケーキに保冷剤を付けての販売は、軽減税率の対象?
解答
ケーキは人の飲食に供されるものであるため、サービスで保冷剤をつけて販売する場合であっても、軽減税率の対象となります。
しかし、保冷剤について、ケーキ代とは別にお金をもらっている場合には、その保冷剤代は、軽減税率の対象となりません。
【第8問】
いちご狩りの入園料は、軽減税率の対象?
解答
いちご狩りの入園料は、顧客に果物を収穫させる「役務の提供」に該当しますので、「食品の譲渡」に該当せず、軽減税率の対象となりません。
なお、収穫した果物について別途対価を徴収している場合のその果物の販売は、軽減税率の対象となります。
これらの事例は、国税庁HP Q&A(個別事例編)に掲載されております。
まだまだたくさんの個別事例があります!
次回も個別事例の気になったものを紹介いたしますのでご期待ください!!