2017.07.07
今回は固定資産税についてお話したいと思います。
固定資産税というのは1月1日時点の土地や建物等の所有者に課税される税金で、市町村が計算してくれます。
市町村がちゃんと計算しているから大丈夫だと安心していませんか?
実は、全国でも固定資産税が市町村の間違いにより過大に徴収されているという事例が多数発生しているそうです。
総務省の調べによりますと、市町村の課税誤り等により税額を増額または、減額修正された件数が平成21年度から23年度までに約39万件以上あったそうです。
単純な入力のミスや、お得な制度を適用してない等が原因です。人間ですから多少の間違いはあるものですが、少し多すぎますよね。
では、そのお得な制度にはどんなものがあるのか?少しご紹介したいと思います。
①小規模住宅用地の特例
住宅やアパートの土地で200㎡以下の土地の固定資産税が1/6、都市計画税が1/3に減
額される(200㎡超える部分については、固定資産税が1/3、都市計画税が2/3に減額)
②住宅用新築建物の特例
平成30年3月31日までに新築された場合に、建物の120㎡までの部分について3年
間・5年間にわたって固定資産税が1/2に減額される
お住いの土地には①の特例がおそらく適用されているはずです。送られてきた通知書をみて適用されていないじゃないか、と疑問に思ったら市町村に確認してみましょう。
では、今回はその小規模住宅用地の特例について、適用されるはずなのにされていなかった!という、私の身近な人に起こったちょっとした事例をご紹介したいと思います。
☆固定資産税が1/6に減額できる特例が適用できない?
私の知り合いが、祖父母の住んでいた空き家を建て替えました。去年11月に建て替え始め、1月に完成しました。
そして、市町村から建て替えた建物と土地の固定資産税通知書が送られてきました。
「建て替えたので税金は上がっているのかな?下がっているのかな?」
と、少しドキドキしながら確認をすると、土地部分の固定資産税がビックリするくらい高い金額が記載されていたそうです。
原因は、小規模住宅用地の特例が適用されていなかったのです。
先程もご紹介しましたが、小規模住宅用地の特例の大前提は、1月1日時点で住宅等の用地であることです。
ですが、次の①~⑤の要件を満たす場合は特例の適用ができると認定されています。
①前年度の1月1日時点で住宅用地であったこと。
②住宅の建設が今年度の賦課期日において基礎工事に着手しており、来年度の1月1日までに完成すること。
③住宅の建替えが、建替え前の敷地と同一の敷地において行われること。
④土地の所有者が、前年度と今年度において、同一であること。
⑤建替えにおいて取り壊した家屋の所有者と建設中の家屋の所有者が、同一であること。
この要件を確認すると、本事例においても⑤の「同一であること」には該当しない(前年の所有者は祖父母)ので要件満たさないと考えられます。
しかし!!
上記⑤の「同一であること」には、建替え前後の所有者が、所有者の配偶者、直系血族が含まれるのです。
よって、今回は祖父母の空き家の建て替えなので、1月1日時点に建物が立っていなくても、小規模住宅用地の特例が継続して適用されるはずなのです。
しかし、市町村は「建物が立っていない」「建て替え前と後の建物が同一の所有者でない」と判断したのか、「入力ミス」なのか定かではありませんが、小規模住宅用地の特例を適用しないで計算していたわけです。これを指摘しますとちゃんと減額してくれたみたいです。
今回は市町村のミスで減額修正が認められましたが、要件を満たしていても本特例を受けられないケースもあります。
例えば、空き家対策特別措置法によりその特例は受けさせません!と指定された時です。
2年ほど前にニュースなどで話題になったのを覚えていますか?
平成27年5月より施行されたものですが、どんなものか簡単にご説明いたします。
☆空き家対策特別措置法とは?
この小規模住宅用地の特例ってすごくお得な制度ですよね!住まなくなった家も取り壊さず、空き家としてそのまま所有しておけば固定資産税が減税になるわけです。
空き家を取り壊すにも費用はかかりますし、更地で所有していても固定資産税は高くなりますので、空き家をそのまま放置しているところが多いみたいです。
ですが、空き家が放置され続けると崩壊等の恐れもありますし、近隣住民の方も困りますね。
そこで、市町村が空き家を調査し、崩壊の恐れや不衛生であると判断した場合に、所有者に改善するように指導します。そして、改善されなければ小規模住宅用地の特例を使えなくしたり、罰金等を科するというものです。
指摘されないためにも、放置せず、定期的なお手入れも必要になるわけですね。
損をしないため、適正に納税するためにも多少の税金の知識も必要ですね。
税金のことでお困りのことがあればカオスまでご連絡ください。