2017.10.27
年末調整の時期が近づいてきました!
扶養控除等申告書・保険料控除申告書はもう従業員の方にお渡ししていますか?
計算間違いによる納付額の不足や、納付が期限に遅れてしまった場合は延滞税等の罰金が課せられることもあります。
時間にゆとりをもって行えるようにするためにも、早めに集めておきましょう。
この年末調整とは、会社が従業員の1年間に源泉徴収した所得税と、1年間に納めるべき所得税とを一致させる手続きをいいます。
1年間に源泉徴収した所得税とは、毎月従業員に支払う給与から天引きしている源泉所得税のことです。
会社が給与等の支払時に、所得税を預かり納付する制度を源泉徴収制度といいます。
日本では当たり前のような源泉徴収制度、実はこの制度がない国もあります。
源泉徴収制度のない国では、給与から税金や社会保険料を天引きしません。従業員は自分自身で計算して納付しなければならないのです。
自分で税金を計算して納付している国の人たちは、自分が税金をいくら支払っているのか嫌でも把握することになるでしょう。
日本人は源泉徴収制度というありがたい制度により、会社が計算から納付、そして還付まで全て行ってくれます。
そのため、日本人のほとんどが自身の税金や社会保険料をいくら支払っているのか、さらには税金と社会保険料の違いすら知らない方も多いように感じます。
過保護すぎる源泉徴収という制度、それが日本人の税金に対する意識を低くしてしまっていると私は思います。
年末調整にて税金が少し返ってきて喜ぶだけではなく、どうして返ってきたのか?今年はいくら納付したのか?と考えることで納税意識も高まるのではないでしょうか。
さて、会社は給与の支払以外に、配当等の支払いや税理士等の士業に対する報酬の支払等が源泉徴収の対象となります。また配当等の支払いは個人だけでなく法人に対する支払時にも源泉徴収制度の対象となります。
源泉徴収した税金の納付の責任はもちろん会社にあります。知らなくて納付していなかったでは通じません。罰金等を受けないためにも注意しましょう!
また、源泉所得税のことで次のような質問を受けることがあります。
「納付が毎回つらい…源泉所得税ってなんでこんなに高いの?」
繰り返しになりますが、源泉所得税は従業員等から預かっているお金で、負担しているのは会社ではありません。
しかし、会社に納税義務があるということで、会社の負担と考えてしまうのも仕方のないことでしょう。ですので、会社が負担している、という考え方を改めてみましょう。
分かりやすく給与の支払で例えてみたいと思います。
「給与総支給額20万円、源泉所得税が1万円の従業員がいます。給与総支給額20万円から1万円を控除して19万円を支払った」
この一連の流れを次のように考えてみてください。
会社は給与総支給額20万円を従業員に支払います。そして、従業員から「これで私の税金を払ってください」と、1万円を渡された。
いかがですか?
1万円は従業員から預かっているお金だと、より意識できたはずです。
源泉所得税の他に給与から預かっている税金には、住民税もありますね。税額計算は市区町村がしますが、従業員の税金を会社が納付する点は同じです。
少し本題から外れるかもしれませんが、消費税も預り金です。
消費者から消費税を預かり、消費者に代わり納税します。預かった消費税を全額納税するというわけではありませんが、日々の消費者からの預り金なのです。
預かった税金は手元にあるため、事業の運用に回してしまうことも考えられます。
それを防ぐためにも預り金専用の通帳を作って、手元のお金と分けてしまうのが、いいかもしれませんね。
最後に年末調整セミナー開催のご案内です。
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