2018.01.12
新年明けましておめでとうございます。
今年も皆さんに楽しんでいただけるコラムになるよう頑張っていきます!よろしくお願い致します。
さて、ちょっと前までは歳末セールや新春初売りなどでお店はどこも賑わっていましたね。
お財布の紐がゆるくなり、ついつい買いすぎてしまった方も多いのではないでしょうか?
私もこの間、「20,000円分の商品のおまけ付き」という購入特典につられて、ちょっと大きな買い物をしてしまいました。
特典でプレゼントなどがあるとうれしいし、すごいお得感がありますよね!
税金の世界の特典と言えば、、、
「青色申告の特典」ですね!!
一定の要件を満たせば、確定申告書を白色申告書にかえて青色申告書を提出することができます。
また法人と個人事業者では、受けるための要件や受けられる特典が異なります。
今回は青色の特典についてどんなものがあるのか少しお話をしたいと思います。
【1】法人の場合
○青色欠損金の繰越控除
赤字が続き苦労していた会社がやっと利益をだして黒字になっても、すぐさまその利益に税金を課すことは会社の経済基盤を回復させることを困難にさせることになります。
そんな企業を応援する制度が青色欠損金の繰越控除です。
前期以前(現時点では過去9年以内に開始した事業年度)に生じた欠損金額を当期以降の所得と相殺することで、税金の負担を軽減する制度です。
欠損金額とは聞こえは悪いですが、会社にとっては税金の負担を軽減する大切なもので、会社の財産といってもいいでしょう。
○所得拡大促進税制
適用要件は以下①~③のすべての要件を満たす必要があります。
① 雇用者給与等支給額が、基準事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額より一定割合以上増加していること
② 適用を受けようとする事業年度の雇用者給与等支給額が、前事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額以上であること。
③ 適用を受けようとする事業年度の平均給与等支給額が、前事業年度の平均給与等支給額を超えていること
法人の給与支払額を増額し、経済活性化を目的とした制度です。従業員や企業、さらに国にとってもうれしい制度ですね。
○少額減価償却の特例
この特例の対象となる法人は、青色であることの他に租税特別措置法上の中小企業者(資本金1億円以下等の要件を満たす法人)であり、かつ、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られます。
単価10万円以上30万円未満の減価償却資産を取得した場合には、その取得価格に相当する金額を損金の額に算入することができるものです。(年間合計300万円まで)
金額の判定ですが、税込価格と税抜価格のどちらで判定するのかお分かりになりますでしょうか?
実は、経理方法により変わるのです。
会社が税込価格経理を採用していれば、税込価格で判定し、税抜価格経理を採用していれば、税抜価格で判定します。
その他に注意する点では、事業の用に供することです。購入するだけではダメで、使用しなければなりません。決算前に節税として、この特例をよく適用されますが、決算日前までに使用開始することを忘れないようにして下さい。
【2】個人事業者の場合
「所得拡大促進税制」や「少額減価償却の特例」は、個人でも適用ができ、法人と同じく青色申告であることが要件となります。
では、個人事業者にしかないものを少し見てみましょう!
○青色申告特別控除
不動産と事業と山林の所得を通じて合計10万円控除することができます。
また不動産と事業の所得は、一定の要件を満たせば不動産所得、事業所得から順次65万円控除することができます。
(平成30年度税制改正大綱にて65万円から55万円に引き下げる見直しがありました。ただし、電子申告などを行う場合には従来どおりの65万円の控除額となります)
○純損失の繰越控除
法人の青色欠損金の繰越控除と同じく前期以前の損失を当期以降の所得と相殺することができるものです。ただし法人の青色欠損金の繰越控除は9年間繰り越せますが、個人事業者の純損失の繰越控除は3年間しか繰り越せません。
○貸倒引当金
法人は法人税上の中小法人(資本金1億円以下等の要件を満たす法人)に該当すれば適用できますが、個人事業者の場合は青色でなければ受けられません。
12月末時点の貸金(売掛金や貸付金など)に対して一定の利率をかけて、それを経費に入れることができます。
法人、個人事業者ともに青色申告でのメリットはたくさんありますね。
青色申告の特典はその他にもまだまだあります!
要件を満たすための手続き、帳簿の記載や保存は面倒くさいかもしれませんが、青色申告はそれだけ価値のあるものになってくるはずです。
青色申告の要件は特に厳しくはありませんし、申告は是非「青色申告」でして頂きたいです。
しかし、帳簿書類に不正があったりすると、青色申告の取り消しがされることがあり、過去にさかのぼってまで取り消されることもあります。
過去にさかのぼって取り消されたりすると、それ以後の青色申告も全て取り消されることにもなります。
青色申告を取り消されてしまうと、適用していた青色申告の特典は適用されなくなり、税金を追加で納付の可能性もあります。
青色申告が取り消される事実はその他にもあります。取り消されないためにも、帳簿書類の保存や申告は適正に行いましょう!!
「白色申告書から青色申告書で提出したい!けど帳簿作成は少し手間だなあ」「青色申告の特典を最大限に活かせているのか心配だ、、、」という方がいましたら是非税理士法人カオスまでご相談下さい!!